万代ブログ

宅地擁壁の変状

2026.09.08 【建設コンサルタント

擁壁の変状について

先日、能登半島地震により被害を受けられた一般家庭より、擁壁の変状についての相談がありました。
一般的な擁壁としては、図.1に示すようなものがありますが、相談された家屋の擁壁の種類はブロック擁壁でした。

図.1 擁壁の種類 日本道路協会発行 道路土工 擁壁工指針より引用

一般的に、道路脇の法尻や大型の土木構造物の法尻付近に設置される大規模なものとしては、
重力式擁壁や大型ブロック積擁壁、片持ち梁擁壁などがあります。また、比較的急な斜面に
盛土をして道路を道路を取り付ける場合などには、谷側に直立した壁面を形成する補強土壁
などもあります。
崩壊した斜面などの復旧の際には基礎地盤に伝わる荷重を低減するために発泡スチロールや
発泡ウレタンを入れて造成する軽量盛土を用いた擁壁などもあります。

今回相談を受けました擁壁は、ブロック擁壁(間知ブロック)というものでした。
多くの方が目にするタイプの擁壁だと思います。
このタイプの擁壁は、ブロックを積み重ね、背面に胴込めコンクリートを打設し、
ブロックを一体化させる構造です。自重により急勾配法面を
保持する擁壁です。このタイプの擁壁は、安定している地山(自然地盤)や盛土等、土圧が小さい場合に適用されます。
イメージ的には、元々あった高さ数m程度の地盤に対して小規模な掘削を行い、 斜面を
保持するような構造物です。

図.2間知ブロックの例

調査を実施した擁壁は、高さが4~5m位で2段擁壁となっていました。
しかも、ブロック擁壁には水抜きパイプがありませんでした。
ブロック擁壁の末端は、谷側に孕み出し、擁壁には開口亀裂が発生している状況でした。
下の写真は、東日本大震災の調査報告書より比較的類似したような写真を引用したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

図.3 擁壁の被害例 土木学会東日本大震災調査団緊急地震被害調査報告書より引用

変状発生の要因として、いくつか考えられます。
<素因(背景にある要素)>
①擁壁の基礎地盤が旧耕作地で軟弱である(水を含んでおりやや不安定に見える)
②擁壁に対して背面の地盤が高く、やや大きな土圧が作用している。
③宅地が被災擁壁に向かって緩く傾斜しており、地下水が擁壁に向かて貯留しやすい。
④擁壁に水抜きパイプがなく、擁壁背面が水で飽和しやすい。
⑤擁壁背面の宅地の地盤に山砂を投入していた。
⑥不安定な2段擁壁の存在

<誘因>
①能登半島地震により、急激なせん断力が作用した。
②宅地を造成した砂地盤の一部で液状化が生じ盛土が擁壁側へ流動化した。

相談された方には、現状と特に不安定な範囲などをお知らせいたしました。
残念ながら、弊社では土木工事をやっていませんので、助言と業者さんの探すポイントなどをお知らせするに
留まりました。

石川県内の市町では、能登半島地震に係る宅地復旧事業支援があるようです。詳しくは、市町の窓口に相談することをお勧めいたします。

ちなみに、弊社に相談された方は、役場に相談され、非常にお困りでChatGPTに相談したそうです。
その結果、弊社にたどり着き、相談されました。
チャッピーに紹介されて何も対応しないのは失礼と考え、今回はお話を伺いました。

お役に立てたか分かりませんが、宅地のことでお困りの際は、近所の土建屋さんまでお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

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