2019.08.30 【地質調査】
クライミングロープを使用した落石等の調査
オーバーハングするような斜面にて岩盤状況の調査を行うため、登攀調査を行いました。
登攀調査を行うためには、ロープ高所作業の特別教育が必要となります。一般的な特別教育では、親綱と呼ばれる合成繊維ロープが使用されます。道路で法面作業を行っている法面工が使用しているものです。このロープは、実径18㎜程度あります。ロープを移動せずに作業を行う場合には、非常に安心できる道具です。しかし、今回の調査では、急峻な山地を上下左右に移動しながら危険な落石発生源を探し出す必要がありました。太くて重い親綱を使用するのは非常に重労働となります。そこで、今回は、φ11㎜のクライミングロープを使用した登攀調査を行いました。登攀調査とは、急峻な岩盤を昇降するような調査手法です。
使用する用具は、このようなものです。
上段:クライミングロープ(スタティックロープφ11㎜、破断強度30.5kN)、
下段:左から下降器(エイト管、ペツル・グリグリ2)、ハーネス、カラビナ(強度27kNなど)、登高器(ペツル、アッセンダー左右)などです。
スタティックロープは、一般的なロッククライミングで使用されるザイルと異なり、伸びが少ないのが特徴です。ザイルは、クライマーが落下した場合の衝撃を吸収するために、大きな伸びを必要とします。一方、登攀調査やレスキュー隊等が使用するロープは、常時ロープに体重をかけているため、伸びが大きいと作業が難しくなります。
ロープの伸びが少ない分、アッセンダー1つを手に持ち、もう一つにロープを装着して足で踏ん張ることによってオーバーハングした岩盤でも登高することが可能となります。
これらの装備を使用すれば、今まで困難であった急斜面、オーバーハング箇所の調査も可能となります。
左の写真が登攀調査状況
弊社は、北陸地方、中部地方、関東地方などで斜面調査から落石・崩壊・地すべりなどの対策工設計までを行っております。また、赤外線サーモグラフィーカメラを使った法面の老朽化調査やドローンを使った空撮なども行っております。お困りごとがございましたら、是非ご相談ください。