万代ブログ

湧水圧試験

2023.03.23 【地質調査

トンネルの地質調査では、トンネル区間に出現する地質や地質構造の他に地下水状況を把握することを目的とした調査を行います。トンネル掘削中に切羽(トンネルの掘削面に出現する壁)より、大量の突発的な湧水などが発生すると掘削ができないばかりか重大事故につながるおそれがあります。
そこで、工事に先立ち実施するトンネル区間の地下水調査が「湧水圧試験」になります。今回は湧水圧試験を実施する機会がありましたので、試験方法を整理してみました。

試験の流れはyoutube動画に整理しましたが、本ブログでは動画を補足してみました。

 

使用機材

使用する機材は、主に次のようなものからなります。測定装置(応用計測サービス)、パッカー付きセンサー、窒素ガス、三方バルブ、ホース類、発電機などです。写真は、地上に設置された機械類です。

地上部の計器類

ボーリング孔内に挿入するセンサー及びパッカー部

 

操作とボーリング孔内での仕組み

地上部の三方バルブ(写真中央の箱の上に置いてあるもの)を操作し、次図のように窒素ガスをボーリング孔内に封入します。

ガス封入前後のボーリング孔内水位変化状況

パッカー操作により、ロッド外部の水を遮断。

 

 

 

 

最後に、ロッド上部の圧力コックを急激に開放し、孔内水位の上昇速度を計測する。この水位上昇状況を計測することによって、試験区間の透水係数を算出する。また、翌朝に計測される孔内水位が試験区間の平衡水位となる。

 

 

 

 

 

 

 

三方コックの操作が、湧水圧試験の成否に関わります。また、トンネル区間(試験区間)の孔内水位の推定は、トンネル工事時の突発湧水の予想などにも利用されますので、平衡水位の把握も大切な試験成果一つとなります。

 

 

 

 

 

 

Youtubeでも動画として紹介していますので是非ご覧下さい。

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