万代ブログ

研修編 地質図を作りに行こう🐣

2023.05.11 【the Staff Blog

皆さん、こんにちは🐓

全くの未経験者として入社した私ですが、
今後も多くの業務に関わるために日々のスキルアップが欠かせません。

今回は、弊社で行っている「スキルアップ研修」についてご紹介していきます。

そもそも地質図とはなんでしょうか?
研修風景なども含めて纏めていきたいと思います。

社長直々に地質図の書き方を研修で教えていただきました!

 

地質図とは何ですか?

地質図の定義ですが「表土の岩石・土が重なった地層の分布を表した地図」になります。

日本全国で地質図が作られていて、色と記号で岩石・地層の区分を表しています。
事前に地質情報を調べてから、建設、防災、自然教育など地質と関わる分野で活かすことになります。

まずは触れてみたいという方がいらっしゃれば、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以降、産総研)が、
大変便利な20万分の1日本シームレス地質図®を無料で公開しているので、是非覗いてみて下さい。

上記引用:「20万分の1日本シームレス地質図®」の操作画面

 

地質図を作るために情報集め

事前準備として、まずは地図をダウンロード、踏査ルートを決め印刷するところから始めます。

余裕があれば空中写真判読をして、地すべりブロックや特徴的な地形を書き込んでからスタートすると、
現地で比較ができるので良いかもしれませんね。
カシミール3D」を利用すると、電子地図から縮尺と範囲を決めて印刷できるので便利です。
(※注:ベースマップが国土地理院のもので、等高線間隔に限界があります。)

現場に出たら、岩が露頭している箇所を探して、メモしていきます。

市街地や農耕地では、既に造成されてしまい露岩が少ないですが、
川や地山、道路脇の自然斜面部などに出ている可能性が高いです。

とにかく現地踏査中に得た結果はすべて地形図に位置と内容をメモします。

 

シルト岩、砂岩、砂岩礫岩 etc・・・

今回の踏査は石川県内の中山間地域で行いました。

見た目だけでは判断できない場合があるので、ハンマーで割って、実際に触って岩を確認していきます。

この地域は主にシルト岩と砂岩が露頭していましたが、
実際に触れてみるとシルト岩はドロッと、砂岩は少しザラザラした触り心地が指先に残ります。

 

中学・高校の地学の授業で聞き覚えがある人もいるかもしれませんが、
シルト岩や砂岩は「堆積岩」に分類されます。

堆積岩は、岩石が風化や侵食され、
海底・湖底等の水底、又は地表に堆積してできた岩石です。

堆積岩の中でも粒度や構成物によって分類されます。

・2mm以上:礫岩
・2mm~1/16mm:砂岩
・1/16mm以下:泥岩

また、泥岩の中でも粒度で分類がされます。

・1/256mm以上 ⇒ シルト岩
・1/256mm以下 ⇒ 粘土岩

もう少し写真や詳しく知りたい方は、
産業技術総合研究所に写真やイラストなどが掲載されているので参考にして下さい。

 

クリノメーターを使ってみよう

地質図を書いていく際にクリノメーターをいう道具が登場します。
何をする道具か分かりますでしょうか?

クリノメーターは主に地層の「走向」と「傾斜」を計る道具です。
走向と傾斜の二つの方向を踏査で記録していくと、地層の面的な広がりが求められます。

例えば、上記のような地層では、岩の中央に横方向に延びている層理面が(赤破線部)
確認できますので、この層理面に対しクリノメーターを当てて計測をしていきます。

・層理面が延びている「走向」方向に対し、クリノメーターの長辺を当て、外側の目盛りを読む。
・層理面の「傾斜」方向に対し、クリノメーターを垂直に当て、内側の目盛りを読む。

一例として、「走向」「傾斜」は上記の黒線のように記載します。

走向(長い線)は、測った角度に合わせて傾けて書きますが、
クリノメーターの値は磁北が表示されていることに注意が必要です。
北陸は真北に対して磁北が約8度西側にずれていることを考慮しないといけません。

また、短い線は「傾斜」以外にも表すことができ、断層なら矢印、節理なら四角など、
下記のリンクにある凡例などを参考にしてみて下さい。

地質調査総合センター:地質図に用いる用語,記号,模様,色及び凡例の表示に関する基準とその解説

 

ひたすら歩く

ある地区の地質図を作ることになれば、とにかく歩いて歩いて情報を得なければなりません。
今回は研修なのでの縮尺1/20,000のA3一枚の地図の半分程度を踏査できましたが、それでも二日で30km以上は歩きました。

現地で色々メモを取りましたが、その全てが成果品制作で精度を上げる大事な情報になりますので、大切に扱わなければなりません。

最終的にな上記のような形で地質図を仕上げていきます。

 

最後に

地質調査業は、必要な知識の裾野が非常に広いと感じる今日この頃です。
山、川、海、道路、ダム、橋、トンネル、農地、、どれも奥が深い!
少しずつ研修やセミナー参加を通して、担当範囲を増やして頑張ろうと思います。

 

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