ドローン(UAV)を活用した写真測量
現在、弊社では、以前に導入したドローンを活用し写真測量にチャレンジしています。
崩壊直後の斜面などでは、危険が多く容易に現場に接近することができない場合があります。
しかし、そのような現場でも迅速に応急対策を検討しなければならない場合があります。
そこで、ドローン(UAV)を活用し、地形測量を行うという手法がとられます。
大手の測量会社などでは、このような手法を採用している場合もありますが、弊社のような地質調査~
設計までも行っているフットワークの軽い会社で写真測量まで行っている会社はまだ少ないのが現状です。
何故か?
それは、ドローン、点群データ作成ソフト、図化用ソフトなどが高額なばかりか、ソフトを動かくためには、
処理能力の大きな高額なPCが必要となります。また、これらの習得まで色々と難しいと言われています。
そこで、何とか万代エンジニアリング㈱でも、「その面倒くさい系」の技術を取得し、世の中の役に立ちたいと
考えています。
現在、まだ取り組み始めたばかりですが、令和3年度中の導入を目指して活動を始めました。
①ドローンを操作し、静止画を撮影します。次の動画の範囲について、オルソ画像の作成を行います。
通常、空中写真は中央部が真上から撮影されていますが、中央から離れる程外向きに歪みが生じます(これを中心投影という)。
写真測量を行うためにには、たくさんの写真を撮影し、数値化して歪みのないモデルを作成する必要があります。これが
オルソ画像というものです。
②動画で撮影した範囲のオルソ画層
歪みが少ないようにPCで加工した静止画です。
③DEM画像
DEMは数値標高モデルのことで、地表面の標高を数値化して表したものです。残念なことに、
写真測量の場合、樹木で覆われた箇所は樹木の高さを計測してしまいます。
しかし、災害が発生した斜面では、崩壊箇所が裸地となっていることが多いため写真測量の活躍が期待できます。
また、ドローンの高さを変えたり、樹木の下側に回り込んだ撮影などを行うことによって地表面の撮影ができる場合もあります。
④点群データの作成
現時点では、解析ソフトなどがありませんので、表現ができません。令和3年度中に何とか導入を目指しています。
解析ソフトとしては、Metashape,PIX4D,TerraMapperなどというものがあります。費用としては、60~120万円程度です。
点群データは、画像のX,Y座標の他に標高(Z)を現した3次元の点座標群からなるデータです。この点群データを作成するために、
PCのメモリーは32GB以上、GPU(画像処理装置)付のものが必要になります。点群データの作成には、数日も要する場合もあり、
写真測量専属マシンになることもあります。PCの費用はモニター別で30万円以上となります。
⑤3D画像の作成
現時点では、外部に依頼し作成した3D画像が次の写真です。
⑥データの図化(CAD化)作業
こちらも、現時点でソフトを所有していませんが、福井コンピューターの「TREND-POINT」等のソフトがあります。
このソフトで100~160万円程度の費用が必要となります。
⑦その他
ドローンで写真撮影を行う前段階として、基準点測量を行う必要があります。こちらもGPSを利用したGNSSという
計測方法があります。こちらも機械自体が数100万円、とその他毎月通信費用がかかる。
弊社では、何とかこれらの測量にチャレンジしようと試みています。
習得できた場合には、ブログにて紹介したと思います。
弊社では、北陸地方(石川県、富山県、福井県、新潟県)、中部地方(岐阜県、愛知県)、関東地方(神奈川県、群馬県)などにて、
地質調査(地表踏査からボーリング調査など)、斜面調査設計(地すべり、落石、のり面)などまで一貫として行っています。その他、赤外線サーモグラフィーカメラを使用した老朽化法面の空洞調査、全方位型カメラを使用した集水井内部の撮影、スモークを使用した岩盤の緩み調査も行っております。
お困り事などございましたら、是非ご相談ください。