今回は、落石調査について投稿します。
一般的に落石調査では、現地に行き浮石や転石の状態を観察します。その際、この浮石は母岩とどの程度密着しているのか、この転石はどれくらい地中に埋没しているのかなどを予測し観察します。
落石発生源調査状況
観察している状況は、この写真のような感じです。斜面の状況に応じて、クライミングロープを使用した登攀調査(クライミング調査)を行います。その際、非常に大切なのが浮石・転石状況のスケッチです。
何。スケッチ?と思われるかもしれませんが、この露頭のスケッチが非常に重要なのです。
何故て?
その理由を説明します。
①写真は見たままの状態を表現でき、見た通りに奇麗です。しかし、写真は一方向からのアングルしか表現できません。これだけだと落石発生源調査では不足なのです。
②スケッチは一方向から見えない割れ目の開口状態や充填物、植物の陰で見えない箇所なども表現できるのです。言い換えれば、写真で見えない部分を補完できるのです(優れた表現方法)。また、危険な箇所をアピールできるのです。
よく、目で見ると素晴らしい景色なのに、写真にするとイマイチなんていうのもありますね。それと同じく、写真で見えないものがスケッチで表現できるのです。
その一例をご紹介いたします。
次の写真は、岩塊の浮石を撮影した写真です。これを見ただけでも、「うーん。やばそうだな」と思うかもしれません。
そして、その次がこの岩塊のスケッチです。絵画のように奇麗な絵ではありませんが、草の影にある危険な浮石を表現できたり、開口割れ目を強調して表現できたりします。また、違う角度で危険度を表現できます。これが、斜面防災エンジニアの見せどころと思っています(自分で言うな!)
そして、ここが違う万代エンジニアリング!
調査者自ら設計まで一貫として行っているため、発生源対策をするならここまでが対象範囲とかこの岩塊は個別処理した方が経済的など考えながら作業を行います。当然、成果品を提出する場合、落石エネルギー計算、落石の落下範囲の予測、設計図面、数量計算、工事費算出、報告書の作成まで行います。
弊社が現地調査までのご依頼を受けた場合、設計会社様に現地状況の説明を行います。また、必要に応じてある程度対策工案や仮設方法、施工方法などについてもご提案させていただきます。
弊社では、主に北陸地方(石川、富山、福井)や関東、中部地方などで業務を行っております。受注したいのだけれど技術者不足で対応できない、現地調査できる社員が不足している、地質関係が不得意などありましたら是非ご相談ください。真摯に対応いたします。